キャベツは至る所に

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ままごと『わが星』覚書

・久しぶりに「何も見えない暗闇」を体験して興奮した。帰り道「あの暗闇が恐かった」と述べる人を見かけた。ぼくは自分が思うより暗所への耐性があるのかもしれない。

 ・演技だけでなく、フォーメーションダンスやラップを含んだシークエンスをミスなく(少なくとも素人目にはそう映る)こなしてみせるのを見ていると、役者というひとたちは超人的だなあと思う。超人的という印象は身体的なパフォーマンスからこそ醸される、と言った方が正しいかもしれない。

 ・どんな趣味の人物であっても、『わが星』を観ている間は、世界一好きな音楽は三浦康嗣の音楽だと言い切れるのでは。

 ・『あゆみ』の時にも思ったことだが、言葉と人間の関係がとても印象的。人間が発するものだから言葉は人間より劣位であるとか、人間の意識は言葉に支配されているとか、そういう平凡な謂では説明できない。どちらかが上位というものでもないし、かといって相互に影響しているというわけでもない。赤と青が混ざって紫になるとか、カフェオレはブラックコーヒーともストレートのミルクとも違うとか、そういう成立をしていると思う。これは生身の人間が発話し身振りすることで濃く発散されるオーラ(雑な言い方をすれば、演劇特有のライド感)によってしか実現できないものなのか。